手がしびれる原因は一つではなく様々なものが考えられ、原因によって症状や治療法も変わってきます。必要以上に怖がることはありません。
指や指先のしびれは、指の神経や血行に問題のある病気だけでなく、「手根管症候群」、「胸郭出口症候群」、「肘部管症候群」、「変形性脊椎症」、「頚椎椎間板ヘルニア」、「多発性硬化症」、「脳梗塞」などの、身体の他の部分で発症した病気の影響であることが珍しくありません。
今パソコンを使う仕事やスマホを使う時間が増えているせいか、肩コリとともに手のしびれを訴える方が多くご来院します。パソコン疲れの大きな理由として同じ姿勢を取り続けることがあります。しびれの原因はこの同じ姿勢をとり続けることにより肩コリがひどくなり、硬くなった筋肉が神経を圧迫して起こっているのかもしれません。その場合は首の前側や胸部に圧迫しやすいポイントがあります。圧迫している筋肉を緩めることによってこれらの症状は改善されます。
マッサージやストレッチなどで筋肉を緩めたり、適度な運動やお風呂に浸かるなどして血流を良くしてください。
〈 胸郭出口症候群 〉
この症状は、主に3つに分類され、それぞれの箇所で腕の神経を圧迫し、手のしびれがおきます。この症状でマッサージを受ける場合には、それぞれの箇所を重点的にマッサージすることで効果が期待できます。
1.斜角筋症候群
首の前側にあり首を動かしたり、呼吸などに関与している斜角筋という筋肉が硬くなり、筋肉を圧迫。肩コリがきつくなる時だけでなく、呼吸に関与しているので、風邪や花粉症でくしゃみや咳が止まらいような時にも起きやすくなります。
2.肋鎖症候群
鎖骨の内側にあり腕を動かしたときに鎖骨を動かす鎖骨下筋という筋肉が硬くなり神経を圧迫。鎖骨の骨折などの既往があると起きやすくなります。吊革につかまっていてしびれが出現したりするとこの疾患の可能性が高くなります。
3.過外転症候群
とても有名な大胸筋の下にあり、肩甲骨を動かす小胸筋という筋肉が硬くなり神経を圧迫。小胸筋というのは、肩甲骨を外側にスライドさせているのですが、猫背になりこの筋肉が緊張しっぱなしだと硬くなり、神経の圧迫を起こしやすくなります。
他にも手のしびれの原因になることは色々あります。
〈手根管症候群〉
手首の手のひら側の腱を束ねている手根管が神経を圧迫して手のひらがしびれる。
〈円回内筋の緊張〉
手首を内側に捻る筋肉が緊張して神経を圧迫し、手のひらがしびれる。パソコン作業などで手のひらをずっと下に向けている時にこの筋肉が緊張しっぱなしになります。
〈尺側手根屈筋の緊張〉
物を握ったりする時に使う筋肉が緊張して神経を圧迫して小指側がしびれる。
筋肉が原因のものは、その筋肉へのアプローチがマッサージのポイントになります。手根管症候群に関しては、マッサージや鍼灸で症状が軽減することがありますが、妊婦の方に起きたり、手術が必要なケースもあるので、一度整形外科の受診をお薦めします。
※ 手のシビレの他に、手を動かしずらい、ろれつが回らないなどの症状がある場合は、脳梗塞の可能性があるため、直ちに病院を受診ください。
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